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負荷のかけ方

 

自宅近くのペットショップに犬のランニングマシーンが置いてあった。

飼い主が一緒に歩かなくても犬を運動させられるが、安易にこれらを使っては犬のためにならないだろうことが想像できる。

犬が散歩をするのは、運動の目的以外にも外で匂いや風、他犬との交流などさまざまな気晴らしがある。

ただ歩いているだけではストレスは解消されない。

 

ランニングマシーンにはもう一つ欠点があると考えている。

それは自分のペースで歩くことができないということだ。

人用のランニングマシーンを使ったことがある人ならわかると思うが、ランニングマシーンで走るのことは道で走っていることよりも辛い場合がある。それはなぜかというと、自分のペースで走れないからだ。

道で走っている場合は、だいたいペースを決めていたとしても大抵自分の体力や気分でペースは変わる(ランナーなどはペースを一定にして走れるが)。

ランニングマシーンの場合は、地面が勝手に動くので走らされていると状態と言える。

 

この走っている状態と走らされている状態は同じ行動だとしても精神的には全く異なる。

人間は自分自身で選択した行動には、ストレスを感じないので、ランニングマシーンで走っているときは、体力だけでなく精神的にもよくない。

 

これは日常生活や仕事でも同じことが言える。

家事や仕事をやらされることはストレスになるが、自分で必要だと思ってやる、自分で考えた仕事をすることはストレスどころかやりがいになる。

最近(といってもここ数年)、の若者は「やりたいこと」がない場合が多い、仕事において自分はこうなりたい、こういう仕事がしたいという目標を持っていない。

自分はこの原因は彼らの親世代が夢を持っていなかったためだと考えている。

自分の周りには身内をはじめ、会社やその他のコミュニティでも夢を語る大人が少ない。

60近い大人は、「もう自分は60だから」と何かを諦めている。

老後に旅行をしたり、ゆっくりしたいというやりたいことはあっても、”夢”を語る大人が少ない。

子供はそんな大人ばかりを見ているので、夢を持とうという発想さえ出てこない。

 

夢を持っていないということは、仕事はただ生きるためだけに仕方なくやっていることになる。

もちろん仕事は生きるために仕方なくやることではあるが、ではなぜ大変な思いまでして生きなければいけないのか、理不尽に耐えなければならないのか、という思考にたどり着く。

 

”負荷”は字の通りネガティブなイメージの言葉であるが、生きていること自体がエントロピーの法則に逆らっているので、負荷こそが生きているということであるとも言える。

ただ、なんのために負荷をかけ続けているか、生きられるから生きているのか、自分が生きたいから生きているのか、現象としては同じでも価値は違うだろう。

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