工学分野に材料利用率という考え方がある。これは製品の材料をどのくらい効率的に使えているかの指標である。
例えば、ある棒を捻り方向に強くしたいと考えた場合、棒が捻られた際に強く抵抗するのは棒の外側の材料である。一方、中心付近はあまり捻り力には関係がないため、同じ体積の金属棒を使うのであれば、中央に穴の空いたちくわ型の棒を使った方が材料利用率が高くなる。
道具や製品を効率的に使うという考え方は、人や犬といった動物にも適用できるのではないだろうか。
自分は、生物の体には詳しくないので想像だが、おそらく筋肉や臓器といった体の部品は、継続的に使い続けた方が長持ちするのではないのだろうか。少なくとも機械類にはその傾向があり、全く使わない機械よりも、たまに使った方が長持ちする傾向にある。これは、ずっと製品が止まった状態でいると、錆や腐敗が進行しやすいためである。
この考え方は生物にも適用できるのではないか。
例えば、自分はマラソンが趣味で、ハーフ(20km)程度の距離なら走り続けることができる。しかし、上半身の筋肉は標準よりも劣っており、水泳でクロールなどをすると25m泳いだだけでものすごい息が上がってしまう。
これは、水泳では普段と違う筋肉を使うためであり、マラソンだけしていたのでは特定の筋肉しか鍛えられていないということである。歳をとってくると、鍛えられていない部分から病気になるので、せっかく健康の為に運動をしていても意味がなくなってしまうのではないか。
犬の場合も、散歩や飼い主との遊びが運動の機会になるが、毎日散歩だけ、特定の遊び(ボール投げや引っ張り合いっこ)では特定の筋肉しか鍛えられない。そうするとやはり弱った部分から不具合をきたすと考えている。
最近は、犬との遊び方に関する本もたくさん出版されているので、色々な遊びを試している。