ネットで食犬文化に反対する記事を見た。記事では「酷い」「可哀想」「命を粗末にしている」。だから食犬文化をやめるべきという論調だった。私も日本という国の文化で生まれ育ったので、犬を食べるという文化は正直嫌悪感がある。
ただ、私は動物を食べることは、命を粗末にする行為ではないと考えている。
動物が生きるために他の動物を殺める行動は自然なことである。人間だって、牛、豚、鳥など様々な動物を殺して食べているわけで、これらの動物と犬の命に差はない。
私は「山賊ダイアリー」というタイトルの狩人のルポ漫画が好きである。作者は、趣味で狩りをしており、鳥や鹿、イノシシなどを殺して食べている。動物を殺してはいるが、私はこの人はとても命を尊重していると感じた。殺した動物は、池に落ちようが必ず回収し、食べる際も一般には食べないであろう部位も食べている。食事をしていて平気で残す我々と比較して、命を大事にしていると感じた。
一方で、出された食事を平気で残しながら、犬は食べるな、イルカは駄目だ、というように動物の命を選択する行為はエゴであり、正直高慢でさえある。
ただ、自分は犬が好きだから死ぬところは見たくない、イルカは可愛いから殺すべきではないと主張すること自体は間違っていない。個々人が自分の主張を広めようとする行為は悪いことではない。ただ、それを主張する際に、自分が正義だ、従わないものは糾弾するという態度は危険だとさえ感じる。
「私は犬に死んで欲しくないから食べないで」と率直に言えば良い。