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犬のトレーニングと研究の共通点

 

自分は一応仕事での肩書きが研究員となっている。

研究というと文系の学部に通っていた人からは、なんとなく難しいことをやっているという程度のイメージしかないのではないか。

確かに研究は、難しく、複雑なことをやっている。

しかし、どんなに難しくて複雑な事柄でも元を辿れば、ごく当たり前のことが出発点である

例えば、振動の運動方程式に

mx”+cx’+kx=f

m:質量、c:減衰率、k:バネ乗数、x:変位、f:外力( ’ は時間微分)

というものがある。

これは初めて見る人には、一見難しそうに見えるかもしれないが、それぞれの項の意味するところは以下のようになる。

mx”:重いものは動きづらい

cx’:水や油の中では物体は動きづらい

kx:物体を変形させようとすると反対に力を受ける

これらのことは日常的に誰でも当たり前だと思っている事柄である。

大学や研究所では、これらの方程式を元にして原子の動きをシミュレーションしたり、音の静かな製品を作ったりしている。

 

犬に芸を覚えさせる時も、これを利用してトレーニングを行う。

例えば、口輪をつけるためのしつけをする場合は、

①口輪に鼻をつける

②口輪に少し鼻を差し込む

③口輪の奥まで鼻を入れる

④口輪に鼻をいれた状態で静止する

というように簡単にできる事柄に分解して、段階的に訓練する

いきなり④を教えようとすると、犬は口の周りを拘束させるのを嫌がり口輪が嫌いになってしまう。

 

犬が口輪を嫌いなる現象は、人間でも同じだと思う。

当たり前のことを理解せずに、いきなり難しいことを学ぼうとすると、上手くいかずにその対象を嫌いになってしまう。

 

自分の勉強や他人に物事を教えるときは、相手が”当たり前”と思っているレベルから始めなければならない

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テーマの著者 Anders Norén