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アマチュアは完成品という幻を追う

 

シューベルトの交響曲に「未完成」というタイトルの曲がある。

プロのコンサートでもよく演奏される有名な曲だ。

交響曲は通常4楽章から成るが、「未完成」は2楽章で終わる。シューベルト自身は3楽章以降の構想もあったという話があり、なぜ途中で書くのをやめたかはわからない。

サグラダファミリアは、まだ工事中だというのに世界中から観光客が集まる。

ミロのヴィーナスは両腕が失われている。さらにいうと、むしろ両腕が失われていることこそが人の想像力を書き立てているのだと、論評している文章を読んだこともある。

 

これらの作品を見ていると、完成品に価値がないことがよくわかる

どの作品でも作者には完成品のイメージがあっただろう。

しかし、作者の意図した完成品と違う形で世に出たものが、多くの人に支持されている。

これは作者の求める完成度と受け手側の求める完成度が違うためだ。

つまり完成品というのは作者の幻に過ぎないのである。

 

仕事をしていると、完成品を世に出せることはほとんどない。

このような製品を作れば売れるはずと考えて開発・設計をしても、技術、コスト、生産などの様々な要因で完成品からはずれたものになっていく。

しかし、それでも売れるものを作れるのがプロだ。

 

一方で、素人は世に出す出さないは自分の判断できる。

「将来〇〇で食っていきたいから、〇〇の勉強をしている」

といって、ずっと勉強を続けている人をネット上でも身近でも知っている。

もし何かでお金を稼ぎたいのであれば、まず成果を発表することが必要だと感じている。

完成したら出す、と考えているといつまで経ってもアマチュアのままである。

 

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