昨日は、ビジネスでは売り方が重要という話をした。
これは逆に考えると、良いものを作っても売り方が悪いと売れないということである。
例えば、宣伝をせずに消費者が製品のことを知らない、生産量が少なく多くの人に行き渡らない、値段設定が高過ぎで売れない、などなど。
倒産しそうな企業の経営者が変わると、業績が急に回復することがある。
このような場合は、良いものを作っていたが、経営陣の能力不足で商品の売り方が悪かった状況だと見做すことができる。
ビジネスではないが、運営状態に失敗して悪い印象を持たれていると団体がある。
NHKとJASRACである。
この2つの団体は、公共放送、著作權利を守るという理念は間違ったものでない。
しかし、色々なところで批判的な言葉を浴び、裁判や反対運動が起こされている。
NHKは活動費の収集方法が時代遅れだ。
テレビ局が限られていた昔と比べ、今ではBSも含めると20以上のチャンネルを見ることができる。
BSを見るために買ったテレビで、ほとんど見ないチャンネルに対しお金を払わなければならないことに不満を感じる人は多いだろう。
値段設定も高い。テレビをエンタメとしてのツールと考えると、CMがあるとはいえタダで見れるチャンネルがほとんどである状況で、月1000円以上の値段設定は高いと感じる。huluなどの動画配信サービスでさえもっと安い。
NHKに関しては、ネットがほぼ公共インフラとなった今、近い将来公共放送としての役割は終わりを迎えるだろう。
JASRACに関しても、なぜあんなに毛嫌いされてしまったのか不思議である。
権利者個々人が著作権侵害を監視するわけには行かないので、監視団体が必要であることは自明だ。
明らかに団体としての理念の説明にかける費用や(民間なら広告費)、価格設定が間違っている。
どちらの団体も、運営体制が悪く、民間企業だったらすでに潰れていただろう。
しかし、公共性を帯びた団体のため、そのままの体制で存続してしまっている。
また、法律や権利の名の下に、民間団体が採用できない無理な運営体制が成り立ってしまっている。
ただ、間違いなくこれらの運営体制は時代に合っていない。
法律や権利のあり方が変化することでこれらの団体も変化を余儀なくされるだろう。