犬は飼い主のことが本当に好きだと感じる。
飼い主に撫でられると尻尾をふり、散歩中も頻繁に飼い主の顔を見る。
最近は犬を叱らない飼育法が出てきているものの、多くの飼い主は犬が悪いことをした時に罰を与える(大声を出したり、嫌な音を聞かせたりなど)。
しかし、その罰で犬が飼い主を嫌いになることはない。
虐待などを受けて人間に対して攻撃的な犬もいるが、そのくらい極端に接しない限り犬は飼い主が大好きだ。
一緒に住んでいると、犬に痛い思いをさせてしまうことがある。
足元の愛犬に気づかず足を踏んでしまったり、ボール遊びをしていて誤って犬に当ててしまったり。
犬は「キャン」と鳴き痛そうにするのだが、すぐに遊んでー、ボールを投げてー、とせがんでくる。
彼らは、飼い主に痛い思いをさせられたことに関してなんとも思っていないのだろうか、どのように感情を処理しているのか不思議だ。
「ご主人はわざとじゃないんだ」などと高度な考え方が彼らにできるとは思えない。
おそらく犬は、良いところで人を判断しているのだと思っている。
人間でも仲の良い相手に対しては、ちょっとやそっとのことでは感情を害されることはない。
誰かに足を踏まれたとしよう。踏まれてた相手が仲の良い友達ならば対して不快に思わないが、知らない人や元々嫌いな人なら文句の一つも言いたくなるだろう。
相手に対する元々の印象で、行動に対する反応は変わってくる。
犬の場合は、たとえ怒られようが嫌な思いをしようが、飼い主が遊んでくれた体験や餌をくれるという記憶で飼い主のことを好きになり、たまにボールをぶつけられても気にしないのだろう。
翻って人間も他者に対して「あいつは〇〇がダメだ」「なんか自分とは合わないんだよねぇ」といって他者に対して基本ネカティブな感情を持っている人がいる。
彼らはまず相手の悪い部分に注目して、人をマイナス面から評価する。
そのため、他人から不利益を受けると、すぐに怒ったり、周りに言いふらしたりする。
自分は他人とコミュニケーションを持つ時に相手の良い面を見つけようと意識している。
良いところを基準に他者を観察すると、他人の行動に寛容になりストレスが減る。