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頭の悪い方法が成功するときもある

 

愛犬がノーズワークをしている際に、総当たり的に餌を探すことがある。

庭の中をランダムに動くのでなく、順々に探していないところがないように動くのだ。

これを見て、うちの子はやっぱり天才だなぁと思ったが、それはもちろん犬として天才だということである。

 

人間は4、5歳でこのレベルになると思う。

子供がある程度賢くなると、総当たり法を使う。

例えば、足し算の問題を出した際に、1から順番に数を言っていく、と言ったこと。

1桁の足し算程度なら、その方法も有効かもしれない。

ただ数が大きくなったり、少数や分数が出てきたら、この手法は非効率的になる。

 

一方で、この総当たり法が有効な場面もある。

難しく複雑な問題に対して、仮説や予測がなかなか立てられない場合、いっそのこと何か行動を起こしてみる、という方向性もある。

総当たり法は非効率ではあるが、全く進まない状況に比べればいくらかましということ。

大事なのは、問題の特性に対して適切な手法が取れることである。

 

人間は成功経験を踏襲しようとする(ハウツー本など)。

これは著者の成功した手法が書かれているのだが、これが赤の他人にも適用できる確率はとても低い。

一見、人生で成功する方法、受験に合格する勉強法、趣味の楽しみかた、など誰にでも共通の問題に対する手法を語っているように見えるが、著者と読者は赤の他人であり、問題に対する感覚も周囲の環境も全く違うため、同じ手法が適用できることはまずない。

ダイエットの本が毎月何冊も刊行される理由を考えてみよう。

痩せたいという問題は同じはずなのに、なぜ誰にでも効果のあるダイエット法がないのだろうか。

 

 

 

 

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テーマの著者 Anders Norén