「社会では答えのある問題なんてない」と学生の頃に色々な大人に言われた。
学生時代は答えの用意された問題を解くが、社会では答えが用意されていることなどない。
これはもっともなことだが、社会人になると実際にこれを自覚して行動している大人が驚くほど少ないと感じた。
仕事をしていると「前はこの方法で上手くいった」「〇〇はこの方法でやっている」など似たような事例の解決法を安易に自身の問題に適用しようとする人が多い。
経験的にこの方法で上手くいくことはほとんどない。参考にした事例とは違う部分が出てくるからだ。
突然だがうちの愛犬は散歩が苦手だ。
人や車の音が怖く、外に連れ出すと固まってしまう。
この問題の対処法を本で調べると、犬が怖がらない距離から音を聞かせて、慣れたら犬のペースで少しづつ近づけていく、という方法が大抵の本に書かれている。
しかし、この手法を自分に適用することはできない。
何故なら、うちはマンションで自室と道路までに共用部がある。
そこは管理規約で犬を抱っこしなければならない。
つまり、犬のペースでだんだんと音に近づけさせることができないのだ。
このように他事例の成功体験とういうのは、あくまで1例にしか過ぎず、その解法をそのまま自分の問題に適用できることはまずない。
ではどうすれば良いかと言えば「原理原則を知る」ことが唯一の解法だ。
他事例とは細かいところで違いがあるが、どんな場合でも必ず共通する原理原則が存在する。
メーカーで製品を作る場合は、作る製品が異なっても、物理や化学の法則は共通である。
このような原理原則まで落とし込んで物事を考えることが必要で、そこまで落とし込んだのちに自分の問題に対する答えを自分で考える必要がある。
*ちなみにこのような手法はSTEM教育と呼ばれ体系化されている