ずっと人間と暮らしていた犬は、自分を人間と認識していると聞いたことがある。
科学的な根拠はないと思うが、面白い話だ。
うちの犬はある時まで人間にばかり懐いていて犬同士で遊ぶことがなかったが、あれはもしかしたら自分が人間だと思っていたのかもしれない。
犬は、バカワイイなぁと思う反面、人間もあまり変わらないのではないかとも思う。
つまり、他人との比較でしか、自分を定義できないのでないかということだ。
例えば、就職活動などで自己PRを求められる。
コミュニケーション能力が高い、リーダーシップがある、などの他者との関係性に関する能力をあげる人が多い。
また、コツコツと物事を進められる、自ら考えて行動できる、勉強ができる、などの個人に関する能力も、正確には”周りと比較して”という言葉がつくはずだ。
極端な話だが、世界中に自分一人しかいなければ、自分がどの程度優れているか、勉強できるかなど、定義しようがない。
これは所属する社会やグループによって、自分という存在は簡単に変化するということである。
自分はこういう人間だと考えた場合、それは社会やグループの中での立ち位置から自分という人間が定義される。