犬は、吠えたり、噛んだりと色々な問題行動をとる。
問題に対処するために、彼らがなぜその行動をするか考える。
この時注意しなければならないのが、行動に対する理由を一つに限定しないようにすることだ。
吠えるのは何かに怒っているからだ、噛むのはそれが気に入らないからだ、と言ったように行動に対する理由を限定すると、問題が解決しない場合がある。
人間で考えてみよう。
例えば、あなたはなんのために仕事をしているのだろうか?
生活のためだろうか?
もちろんそれは間違いではないが、では生活のためにする仕事として最適なものを選んでいるだろうか?
生活のための仕事ならば、賃金がもっとも高いものを選ぶだろう。
あなたが今している仕事は、賃金がもっとも高いから選んだ仕事だろうか?
そんなことはないはずだ。
自分のやりたいこと、社会に貢献したいことなどの夢や目標があって現在の職に付いているのではないだろうか?
面接の時にそのような話をしたはずだ。
人間は行動をする時に複数のモチベーションを持つ。
ご飯は空腹を満たすために食べると同時に、美味しいものを食べたから食べる。
マラソンをするのは、健康のためであると同時に、走った時の達成感を味わいたいからだ。
犬も同じはず。
モチベーションを限定して、問題に対処しようとすると、一つのモチベーションが取り除かれただけで、問題は解決せず、違う解決法を試そうとしてしまう。
しかし、実際は複数のモチベーションで行動をしている場合があることを認識しなければならない。
これを認識するとおのずと問題行動に対処法が異なったものになるはずだ。