うちの近くのスーパーに1時間無料の駐輪スペースがある。
タイヤを押し込むとロックがかかり取り出すときに番号を入力する。取り出した時間が入車してから1時間以内なら無料で取り出せるという仕組み。
世の中には賢い人がいるもので、この時間制限を巧みに回避する人がいる。
車輪をロックがかかる手前に置いておき、機械が入車したとみなさないようにしているのだ。
この前買い物に行ったとき、この不正駐車している自転車をひたすら押して回っている人がいた。
その人はスーパーの店員や警備員と行った出で立ちでなく一般の人に見えた。
彼は一台一台の自転車を確認しながら、車輪をしっかり奥まで押し込んで行っているのだ。
世の中には、ちょっとしたマナー違反や悪事を許せない人がいるようだ。
交通ルールを守らない人にいちいち注意する人や、ちょっと荷物が当たっただけで怒鳴りだす人がいる。
もちろん駐輪の件やルールを守らない人を注意することは間違ったことでない。
道徳という観念では正しいのかもしれない。
一方で、多くの人はそこまで他人のルール違反に厳しくない。
気づいたいら行動するかもしれないが、自分からルール違反を見つけに行ったり、ちょっとしたことなら笑って許すだろう。
彼らは何が違うのだろうか。
おそらくほとんど人は自分でやりたいこと、やらなければならないことがあり、大きく自分に不利益になることでなければそれらを改善しようとは思わない。
大事な商談が迫っている会社員や、これからディズニーランドへ行く学生が道中見つけた信号無視を注意するだろうか。
「悪いやつだな」一瞬思うかもしれないが、すぐに忘れてしまうだろう。
ちょっとしたことを許せない人は、より大きな価値や目標、楽しい時間を持っていないのだろう。
だから、身の回りの小さな不合理を考え続け、それをどうにかすることで考えが一杯になる。
自分の人生で何に価値を置くかは自分の自由である(他人に迷惑をかけなければ)、ただ世の中にはもっと面白いことがあるんだよと教えてあげたい気もする。