足音は人により差がある。
履いているもの、テンポ、歩き方などの情報から、その人を推測できる。
真偽のほどはわからないが、武士は足音から敵の情報を判断し、戦うべきか逃げるべきかを判断していたと言う。
人間の足音はトットッとと言う感じなのに対し、犬の場合はトトトッと言う感じだ。
これは2足歩行と4速歩行の違いである。
2速歩行の場合は、足を一本ずつ地面につけるため、パルス波が断続的に立つような波形になる。
一方で4速歩行の場合は、2本ずつ足が着地するので、少し幅の広いピークの波が立つ。
また、4速歩行の動物の方が、足が短い傾向もあるので、足音のなる感覚が狭いこともあり、トトトッという感じで聞こえる。
4速歩行はとても安定した歩行方法だ。
2速歩行の場合は、歩くときに足が一本だけ地面についた状態になる。
そのため瞬間的には重心を支えられないため、押されたりするとすぐに姿勢を崩す。
一方、4速歩行の場合は歩く時は2本ずつ足をあげ、重心が常に支えている足の中央にくるので安定している。
2速歩行というのは移動能力だけで考えれば4速歩行よりも劣っている。
しかし、2速歩行になったことで、両手が使えたり視点が高くなったりといった利点があるため、人間が繁栄した。
ここから得られる教訓として進歩にはデメリットが必ずついてまわるということだ。
人類をここまで繁栄させた歩行方法の進歩ですら、運動能力の低下というデメリットが存在する。
原子力やブロックチェーン、AIなどの現在の技術にももちろんデメリットは存在する。
しかし、デメリットばかりを見て新しい技術や仕組みを取り入れなければ、進歩や革新は起こらず、停滞の末の衰退が待っている。