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ゆっくり過ぎる時間

 

抜け毛が多くなってきた。

もちろんデルタ(愛犬)のことである。

だんだんと暖かくなり始めるこの季節、一度は収まったかに見えた抜け毛がまた増えてきた。

夕方にもなると床にはデルタの毛がたくさん落ちている。

毎日ダイソンで掃除をしているが、抜け毛はとどまることを知らない。

 

抜け毛から落ち葉を連想し、落ち葉から自然を連想した。

人はなぜ自然に惹かれるのだろうか?

これは自分が都会育ちだからかもしれないが、自然に惹かれる。

テレビでも自然を賞賛したような番組がたくさんあるので、自然に魅力を感じる人は少なからずいるのだろう。

 

自然とは基本的に不便なものである。

水は自由に飲めない、電気もない、寒い、虫がいる、汚い、など生活する上でのマイナスしか見当たらない。

しかし、自然の中をドライブしたり、キャンプをしたりということに憧れを持つ。

普段便利な生活をしているからその不便さが新鮮なのかと思いきや、グランピングのように便利に体験する自然が人気だったりもする。

自分は、自然というのは都会に比べて時間がゆっくり流れることに魅力を感じているのではないかと考えている。

「ゆっくり時間が流れる」は、もちろん比喩的な表現だが、都会は便利なので時間の流れが早い。

ご飯は数分で出てくるし、移動する際も数分おきに電車が来る。

お風呂や洗濯は自動だし、暖をとるのもボタン一つだ。

便利な反面、次か次へとすることが出て来るので、強制労働させられている奴隷のように疲れてしまうのでないか。

一方で、自然の中にいると、ご飯は準備に1時間近くかかるし、寒いから温まろうと思ったら火を起こさなければならない。

以前北海道に住んでたことがあるが、北海道では冬は自転車が使えないため、学生は移動が基本徒歩になる。

そうするとただでさえ広い土地の北海道で數十分かけて歩いて大学に行ったり買い物に行ったりしなければならない。

さてこのような状況でどう急げば良いだろうか?

急げないということは、自分にとってはとてもストレスフリーで研究は仕事よりもずっと長時間やっていたが、ストレスは少なかった。

このようにゆっくりすぎる時間を体験できるのが自然なのではないか。

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