日本は人手不足
最近は外国人材の受け入れについてのニュースをよく見る。
このニュースからも、日本の人手不足が深刻になっていることがよくわかる。
人口、出生率共に減っており、労働人口はどんどん小さくなっている。
このため、働き手は貴重になり賃金が上がるため、多くの会社は海外に人材を求めている。
人材不足の解消法のひとつとしてテクノロジーの導入がある。
例えば、以前は経理や簿記をそろばんで行なっていたが、電卓やPCを導入することで、労働時間が大きく削減され人材も少なくできる。
最近では、CAEやCAD,工業のラインにロボットを導入するなどしている会社が多い。
あと数年もすれば、これらにAIが組み込まれてより人手を必要としなくなるだろう。
ペット業界にテクノロジーは導入できるか?
ではペット業界はどうだろうか?
私の知っている範囲の話になるが、ペット業界はテクノロジー導入が遅れていると感じる。
AIや高度なシステムは難しいにしても、未だに連絡が、電話、FAX、メールだったり、SNSを利用した宣伝などをまともに行えない人がいる。
ITなどで、人件費、管理費、宣伝費を大きく抑えられるにも関わらず、それらを使用できていない人を見るともどかしく感じる。
この辺りの部分には、まだまだ改善の余地のある業界だと思うが、ではメインのペットの世話に関してはどうだろうか?
ここではペットを犬に絞らせてもらうが、ペットショップ、ペットホテル、トリミングサロンなどでもっとも時間のかかる作業は、もちろん犬達の世話だ。
掃除をしたり、散歩に連れて行ったり、一緒に遊んだり、シャンプーをしたりと行った業務が大半を占めるはずだ。
これらはフィジカルな作業なので、ITで代替できるものではない。
ではロボットならどうだろうか?
ルンバなどの掃除をしてくれるロボットは存在するが、トイレシーツの交換や糞の片付けはしてくれそうにない。
もっと汎用的な人型ロボットでないと難しいだろう。
一方で、人型ロボットに犬の世話を任せられるかといえば、それもやや心もとない。
なぜなら、犬は人間と共に進化してきた種だからである。
犬は、オオカミから人間に比較的慣れている個体が選択的に交配した種だ。
犬は人間とのコミュニケーション能力が高く、同種(犬)よりも人間と一緒にいることを好むと言う。
掃除や散歩、トリミングなどと行った仕事を人型ロボットは行うことができるかもしれないが、犬がロボットを人間と認識しなければ、彼らにとってはストレスになるだろう。
犬の世話をできる人型ロボットには、人間向け以上に人間らしさを求められるだろう。
人型ロボットを作った時に、人間と犬、どちらを騙しやすいかといえば、おそらく人間だ。
人間は他人を外見や動きで判断する。つまり外見や動きさえ模倣してしまえば人間はロボットと人間の区別がつかないだろう。
一方で、犬は五感が鋭い。
視力はあまり良くないが、嗅覚は優れているのは有名だし、可聴周波数も人間よりずっと高い。
人間を騙せたロボットも、体臭や超音波領域のモータ音などで犬には偽物だとバレてしまう。
結論から言うと、犬の世話をロボットにさせるのは、できても相当先(20年後くらい)になりそうだ。
人型ロボットがメカ的な機構ではなく、生物由来の作動に変わり、生物学的にも人間とロボットの境が曖昧になるあたりでやっと犬の世話が可能になるだろう。