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犬の教育

犬の教育

人間は子供の頃から学校で教育を受ける。

文字を書いたり、計算をしたりといった、社会で生活するために最低限必要な知識と技能をここで身につける。

日本は教育制度が整っており、ほとんどの大人は文字の読み書きができ、ちょっとした計算なら誰でもできる。

また、学校では集団生活を学び、社会というたくさんの人から構築されている環境の中で自分がどのように振る舞えば良いかを学ばせてくれる。

 

犬に関する教育は2つの意味で足りていない

一方で、犬はどうかといえば、彼らは学校に行くことはない。

最近は犬の幼稚園といったサービスも出てきてはいるが、まだまだマイナーだ。

犬が教育を受ける機会がないここと同時に飼い主が教育を受ける機会もまたない。

自分は、ブリーダーから愛犬を引き取ったので、ブリーダーが作った犬を育てるための資料をもらった。

ペットショップなどでもこのようなサービスがあるのかもしれないが、どちらにせよこれだけでしっかりしつけができるかは疑わしい。

人間の子供を育てる場合は、色々な教育があることに比べると、飼い主になるための教育はほとんどないといって良い。

 

教育不足が犬の地位を低くしている

人間社会では、教育のレベルで明確に扱いに差が出る。

会社の多くは、高卒か大卒かで給料が違うし、資格などを持っているとインセンティブがある場合がある。

そう考えると、犬の地位を向上させるためには、犬と飼い主の教育が必要だということが見えてくる。

現代の社会では、犬が入れる公共施設は少ない。

これはなぜかといえば、犬たちが好き勝手歩き回り、他人に飛びついたり、ものを壊したりといった恐れがあるからだ。

逆に考えれば、犬がしっかりとしたルールを理解していれば、彼らは社会に受け入れられるはずだ。

実際しっかりと教育された盲導犬はすでに公共施設に入ることも許されている。

 

恐怖症の克服

犬の教育とは、基本的にルールを覚えこませるものだ。

これは広い意味でいうと恐怖症の克服も教育と言えるだろう。

例えば、うちの犬は車が怖い、車の音がするとビュッと反対方向に逃げてしまう。

車は飛びついていってはさすがに困るが、ある程度距離を取れば問題ないと理解させないと、犬が社会に出て適切な行動が取れないだろう。

 

 

犬の騒音恐怖症

ウチの子はとても音に敏感です。

散歩しようと思って外に出ても、エンジン音、人の声、風切り音など様々な音を怖がって動いてくれません。

抱っこで歩いていてもそれは緩和されず、長時間外にいるとすぐに下痢をします。

家の中にいても、マンションの廊下を歩く人の声や、エアコンの音など、様々な音に反応します。

散歩ができないことは特に問題で、肥満による病気の併発が懸念されます。

この問題をなんとかしたい、また同じような犬の騒音問題で悩んでいる方と情報を共有するためページです。

 

対処法が少ない犬の騒音恐怖症

 

これらの問題に関して、まずはインターネットや本で調べました。

しかし、基本的には「馴れさせる」という解決策しか書いてありません

ウチの子もなるべく静かな時間帯を選んで、毎日外に出すようにしているのですが、1年以上続けても全く改善しません

そうすると、別の方法を試したいと思うのですが、犬の騒音問題に関してはそれ以外の情報がほとんどありません。

また、論文や獣医師が読むような本も見たのですが、騒音恐怖症の対処方については、馴れさせる以外の方法は見つけられません。

恐怖症を含め、犬に関する騒音問題を解決するために調べたことをまとめました

 

犬の聴覚

そもそも犬の聴覚は人間と同じでしょうか?

哺乳類の聴覚の仕組みは基本的に共通ですが、違いもあります。

  1. 周波数
  2. 音の大きさ
  3. リズム感
  4. 指向性

これは人と犬との違いで、以下詳細を表にまとめる。

周波数 20〜20,000Hz 65〜50,000Hz(諸説あり)
音の大きさ 同じ音源からの音を聞いた場合い、4倍の距離まで聞き取ることができる。
リズム感  100回/minのテンポが96回/minになることに気づける。
指向性

(音源定位能力)

 1〜22.5°

(諸説あり)

 約8〜11.25°

(諸説あり)

(参考:動物の第六感子犬のへやナショジオトピックス

 

これらの能力差から言えるのは、犬は人とは全く違う音環境にいるということです。

例えば、犬は人間には聞こえないくらい小さな音も聞こえるし、超音波領域の周波数も聞くことができます。

そのため人間にとっては心地良い音環境が、犬にとっても良い音環境とは言い切れません

「そんなにうるさくないのになぁ」「何に怖がっているんだろう」

と人に取って理解できない行動を犬がとる場合がありますが、これは、人には認知できない音に犬が怖がっている可能性があります

犬の騒音問題に関して考える場合は、人と犬の聴覚の違いを理解しておく必要がります。

 

音響シャイ

犬が特定の音に対して、特別な恐怖心を持つ症状を音響シャイといいます。

症状としては、花火や車といった音に対して、吠えたり、逃げたり、おしっこを漏らすなどの過激な反応を起こすことです。

音響シャイは問題を抱えている飼い主さんも多いのか、ネットで情報がたくさん集められます。

 

解決法(ネットで得られるもの)

音響シャイの解決方法は、馴れ条件付けの3種に大別されます。

もちろん、犬によって効果のある解決策は限られています。

症状の程度や犬種、個体差にも大きく依存します。

例えば、音響シャイのよく見る解決法は”馴れさせる”というものです。

花火の音が嫌いな犬に対して、スピーカーなどで花火の音を聞かせます。

初めは小さく犬が気にしない程度の音を聞かせ、だんだんと音を大きくして行くというものです。

これはデメリットのあまりない、手軽な方法ですが、うちの愛犬には全く効果がありませんでした。

前述したように、犬は聞こえる音の周波数帯が人間よりもずっと広いです。一方で、スピーカーというのは人間向けに作られているので、人間の聞こえる範囲の周波数しか再生できないようになっています。

そのため、高周波領域の音を怖がっている犬に対して、スピーカーで音を聞かせるという方法は全く効果がないことになります。

 

以下に音問題に関する解決法について触れられているHPのまとめを記載します。

問題 克服法 科学的な根拠が示されているか 引用元
・社会化期の経験不足

・音と嫌な経験が重なった

・極端な運動不足

・遺伝

・避妊・去勢手術の影響

・小さい音から慣れさせる

・音と良い経験を結びつける

・クレートトレーニング

・十分な運動

・薬

なし

(文章中に書籍が紹介されており、その中にあるのかもしれません。)

わんちゃんホンポ
 急になった  ・飼い主が音に無関心でいる

・小さい音から慣れさせる

・音と良い経験を結びつける

・自然に慣れるまで待つ

 なし

(本を参考にしているらしいが、書籍名はわからない。著者の犬は自然と慣れてきたらしい)

 WanByWan
急になった ・平気な犬と一緒にいる  

・音と良い経験を結びつけることは、程度によっては意味をなさない。

・飼い主が無関心でいることも意味がなかった。

なし

(経験則)

 犬のしつけ「カワノe-ドッグ」
わからない  ・音と楽しいことを結びつける

・飼い主が無関心でいる

(無理強いは厳禁)

 なし

(経験則)

 Dance with Dogs
 遺伝 ・ピストルの音を遠くから聞かせ、徐々に慣れさせる

・ほっておいても治らない

 なし  愛犬日記 ver7
 記載なし ・サプリ

・牛乳を飲ませる

 なし  太陽に叫べ

 

 

本当に犬はその音を怖がっている?

ここで、犬の音問題に対して、ちょっと違う視点から考えてみます。

”音を怖がる”とはどういうことでしょうか?

例えば、人間の場合、嫌な音というと次の2つに分類できると思います。

①音自体が嫌い

②音の原因が嫌いな場合

①は黒板を引っ掻く音だったり、飛行機の大音量の音だったりと、その音自体に不快感を感じる音です。

一方で、②はホラー音楽や蚊の鳴く音など、音と嫌な経験が結びついているため、音を聞いただけで不快感を感じてしまう音です。

この2つの音恐怖症は対処が全く違うことがわかります。

②の問題に関しては、馴れさせるという対処が可能ですが、ホラー音楽を聴きながらおいしものを食べたり、蚊の鳴く音を聞くたびに1万円が貰えたとしたら、簡単にその音を好きになるでしょう。

一方で、①に関しては身体的、生理的な問題なので、聴き続けたとしてもまず改善しません。

 

ここで言いたいのは、犬の場合、①と②の恐怖の原因が簡単には特定できないということです。

人間のように会話ができれば良いのですが、犬はなぜ特定の音を怖がっているのか教えてくれません。

自分が参考にしているのはLili Chinさんというアメリカのイラストレータが一般公開してくれている犬のボディランゲージについてです。

これを見ると、ある程度は犬が何で怖がっているか予想できるようになります。

例えば、生理的に嫌な音を聞いたらおそらく、初めは「警戒中」「怪しいぞ」のボディランゲージをとり、その後逃げ出すはずです。

一方で、嫌な経験と結びついた音というのは、「嫌だなー」「不安」といったボデしランゲージになるとお思います。

Lili Chinさんの情報を参考にしつつ、音を怖がる原因を探る必要があると思います。

 

音を計測する

犬は人間の聞き取れない音が聞こえるため、原因を探るために音を計測したいところです。

少し前でしたら、身近に音を測る機械などありませんでしたが、最近は身の回りに手軽に音を測る機会があります。

そう、スマホです。

スマホど音を測る方法は以下にまとめてあります。

ただ、このページにも書いてあるのですが、スマホは人間の聞こえる音に合わせて作られています

上記したように、高い周波数の音などを測定することはできません。

これが現状の課題です。

音を計測する

 

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テーマの著者 Anders Norén