愛犬が滑ってしまう!
2016年5月、私は愛犬(シェルティ)を家に迎えました。
犬を飼うことは子供の時からの夢で、デルタを迎えるために前年に家(マンション)を買い、ブリーダーさんところに通って事前に注意点を聞き、ハウスや餌入れを購入し、万全の状態で迎えた、つもりでした。
家にデルタを連れてきて初めて気づいたのですが、フローリングでは愛犬が走ろうとすると滑ることが判明しました。
これはまずいだろうとネットで調べると、やはり床が滑る状態は病気のリスクが増えることがわかりました。
岸上義弘著「獣医の手術は間違いだらけ」によると、
日本の小型犬で発生している膝蓋骨脱臼の多くは、「滑りやすい床で転ぶ」「猛スピードでUターンする」と行った膝の動きに負担をかけたことがきっかけでで発症しているのであって、・・・
とあります。つまり床が滑りやすいということは、怪我などのリスクを高めてしまいます。
私は自分なりに、この問題に1年近く取り組んだ結果、ゴムシートを使うことがもっとも効果的な対処法だと判断しました。
そもそもなんで滑るの?
当たり前のことかもしれませんが、考えてみましょう。特に興味がない人は読み飛ばしください。
我々人間や犬が床を滑らず歩けるのは、足の裏と地面の間に静摩擦力が働いているためです。
静摩擦力Fは床から受ける力Nと床と足裏と床の材質で決まる静止摩擦係数μを使って、
F=μN
と表されます。この静止摩擦力Fにより、足と地面が固定されて歩いたり走ったりすることができます。
一方で、静止摩擦力Fを超える力が加わると、足を地面に固定できずに滑ってしまいます。
つまり、犬が滑らないようにするためにはいかに静止摩擦力を上げるかがポイントです。
垂直抗力Nは人や犬の体重で決まるので変更できない数値です。
結果として、対策は静摩擦係数μを上げることになります。
この静摩擦係数μは足の裏の状態と床の材質・形状で決まります。
例えば、我々はフローリングがカーペットよりも滑りやすいことを経験的に知っていますが、これはフローリングよりもカーペットの方が静止摩擦係数μが大きいためです。
つまり、犬が滑らないようにするためには、静摩擦係数μが大きい材質を探さなければなりません。
と言いたいところですが、その前に確認して欲しいことがあります。
床材を考える前にを確認しよう、愛犬の足裏
皆さんご存知のように犬や猫には肉球があります。
これは人にプヨプヨされるためにあるのではなく、地面との摩擦係数を上げる役割があるのです。
そのため爪や毛が伸びており、肉球が地面に直接接していないと滑りやすくなるのです。
なので床材の対策を考える前に、まず犬の足裏の毛や爪をきちんと切ってあげましょう。
以下で紹介する床材対策に比べると、愛犬の足裏をお手入れしてあげたほうが安くつきますし、愛犬の爪割れを防げたり、衛生的にも良いのであまり手入れをしていない人は、この点をまず気をつけてみてください。
たくさんある床対策
犬の滑りに対する対策はたくさんあります。
上で説明した摩擦係数を上げる観点で考えると、対策は大きく分けて2種類に分類できます。
①犬の足裏への対策
・足を綺麗にする。
・爪・毛をしっかりカット。
・肉球にクリームを塗る。
・靴下をはかせる。
②床への対策
・床を綺麗にする。
・フロアマットやカーペットなどをひく。
・コーティング剤を塗る。
・リフォームする。
などが挙げられます。このうち①に関する対策は、上記で説明しました。まず①の対策を行ってから、②の対策を行うことをオススメします。
断念例・失敗例
上で挙げた対策は調べた上で断念したもの、実行したが失敗だったものがあります。
断念したもの
リフォーム | 金銭面で断念しました。さすがに新築の家をいきなりリフォームするお金はありませんでした。 |
フロアコーテイィング | これはGoogleで「犬 床 滑る」などと検索すると広告がいくつか出てきます。フローリングの床に、滑りづらいコーティング剤を塗るという手法です。これに関しては、床材のサンプルを送付してもらったのですが違いが全くわからず、さらにコストもそれなりにかかるので、リスクが大きいと感じて断念しました。 |
失敗例
実行したけど効果がなかった対策。
足裏や床を綺麗にする | もともとすごい汚れていたわけではないですが、改めて雑巾で床を拭いたり肉球をお掃除してあげたりしましたが状況は変わりませんでした。 |
爪と毛を切る | これも当初からそれほど伸びていたわけではないですが、トリマーに切ってもらった前後で状況は変わりませんでした。 |
靴下をはかせる | これは愛犬が嫌がってすぐに脱いでしました。家の中でずっと靴下を履かせているのもかわいそうだと思い断念しました。 |
床にひくならタイルマットかゴムのシート
犬の滑る問題に対して効果的だったタイルマットとゴムのシートを紹介します。
小型犬ならこれで十分タイルマット
このタイルマットはなかなか優秀でした。
そのまま敷いてもうちの子の場合は剥がれてしまうので、両面テープでくっつけるとほぼ完璧な対策ができます。
←タイルマットがひかれた床
←青い部分に両面テープを貼る
これは滑りに対する対策はほぼ完璧でした。小型犬なら両面テープも必要ないでしょう。
さらに、タイル式なので
・部屋に合わせて貼ることができる。
・汚されてもその部分だけ掃除or廃棄すれば良い。
などの利点があります。
デメリットとしては、ずっと使っていると剥がれてしまうこともあります。
しかも、一度剥がれると両面テープを貼り直さなければならないので、ちょっと大変。
穴を掘る癖のある子などには向かないかもしれません。
さらに、両面テープで貼るので、床を少なからず傷つけます。
←タイルマットが剥がれたあと
理想に近いゴムシート
参考
色々試した結果、現在最適だと思っている対策がゴム製のシートを敷き詰めることです。
ゴムは摩擦係数の大きい素材で、なおかつ購入した商品は表面にイボが付いており、さらに滑りづらくなっています。
シート自体がそこそこ重いので、両面テープなどをつけなくても全くずれません。
さらに、防水仕様なので、おしっこに失敗しても拭けば解決です。
下の写真はホームセンターで切り売りしていたゴムシートを買ってきて(1m1000円くらい)敷いた状態です。
←愛犬も満足
上記にAmazonのリンクを貼っていますが、やや高いのでホームセンターなどで部屋の大きさに合わせて買うのが良いと思います。
掃除も簡単で、水などをまいて100円ショップで売っているブラシでこすれば綺麗になります。
あえてデメリットをいうと、柄のバリエーションが少ないので、インテリアとの相性などを考えられないことでしょうか。
うちの場合は、あまり内装にこだわるタイプではないので、犬の安全を優先しました。
まとめ
滑り対策 | ゴムシート | タイルマット | 靴下 | リフォーム |
評価 | ◎ | ○ | △ | △ |
メリット | ほぼ滑らない
剥がれない 部屋に合わせて貼れる 防水なのであまり汚れない |
マットが剥がれなければ滑らない
部屋に合わせて貼れる 汚れてもその部分だけ洗える 足音が静か |
コストが安い
足音が静かになる |
確実に対策できる |
デメリット | 柄のバリエーションが少ない | 両面テープを使わないと剥がれやすい | 犬が嫌がる | コストが高い |
コスト | △ | △ | ○ | × |